Oracle ACE [コミュニティ]

連日コロナのニュースが気になる今日この頃である。年末~年始にかけ、大規模なシステム更改があり、そして数々のトラブルの対応もあり記事の更新が滞っていた。今年もまた続けていこうと思っている。

さて、先月、USオラクルからうれしい知らせが届いた。なんとOracleACEに選ばれたとのことであった。

Oracle ACEとは、オラクルの認定制度で、主にコミュニティへの貢献をしている個人に与えられる称号である。貢献度や影響力に応じて下からアソシエイト(ACE associate)、エース(ACE)、ディレクター(ACE director)と3段階に分かれている。世界で500人程度いるらしく、正確な数字は不明であるが日本には現在(私を入れて)8名らしい。

きっかけを振り返ると、2018のOOWに参加したことに遡る。技術セッションでOracle ACE directorの方のプレゼンの自己紹介で、コミュニティ活動のことを紹介していたのである。当時の私の中で、コミュニティというとOSSの印象が強く、オラクルのように有償サポートのある製品ではあまり必要性を感じていなかった。そのため、純粋にボランティアでノウハウ共有する文化があるのかと驚き、また興味を持ったのである。

帰国後しばらくして、オラクルコミュニティの中を覗いてみると、英語のスレッドにはかなり高度な内容が含まれていることに気づいた。特に、私が尊敬して止まないJonathan Lewis氏が投稿しているスレッドを見つけたとき、こんなにも簡単に世界のトップクラスのエンジニアと議論できる環境があるのかと衝撃を受けた。つまり、必要なのは、自ら手を伸ばすことだけだったのである。そこで自分もコミュニティの議論に参加することを開始した。はじめは膨大なスレッド数に戸惑ったが、自分が議論しやすい分野であるパフォーマンスチューニング系のスレッドに落ち着いた。投稿された実行計画やAWRを読んで、自分なりの考えを書き込んで行く。間違いもあったが、たまに「役に立つ」、や、「正解」、のマークが付くと純粋に嬉しい気持ちになるので、仕事の後や週末に更新を続けていた。

また、同時期にこのブログを開始した。日頃経験したことや考えたこと、書籍で知ったことなどを記録していった。個人の備忘録的な位置づけだったので、初心者向けの配慮は微塵もなく、読みやすいものでは無かっただろう。ほとんどアクセスされる事はなかったが、それでも自分が後から読み返し役立つこともあったので、あまり気にせず細々と続けていた。そんな中、一つの転機となったのはJPOUGで発表しないかと誘われた事である。日本でのコミュニティ活動に興味を持っていたのと、一人15分、何でも良いという事だったので、引き受けることにした。ブログ記事の一部で記載していたトランケートについてお話しした結果、ブログへのアクセスも増えていった。実際のところどう使われているのかはわからないものの、アクセスがあるということは何等か役に立つこともあるのだろうと、励みにしながら続けていた。

2019年秋、上記活動をもとに自推でOracle ACE associateに申請した。ただ、コミュニティ活動を開始して1年程度であり、また、審査はUSで行われるため、日本語で記載されたブログやプレゼン資料は恐らく評価されないだろうと思っていたので、あまり期待はしていなかった(一部の記事やプレゼン資料は英語だったので、申請の際はそれらを加えてはいたが)。年末・年始のシステム更改で忙殺される中、すっかり忘れた頃に、USオラクルから連絡が来たのである。しかも、AssociateでなくACEであったことも喜ばしいことであった。

ACEになったことにより、直近、ACEの名簿に名前が載り、SNSにたくさんの「いいね」が寄せられ、そして、USからTシャツが送られてきた。また、ACE向けのコミュニティのメールが来るようになった。主にオンラインセミナーの案内などのようであるが、時間が夜中なのでなかなか参加は難しいかもしれない。ただ、個人的にはより気持ちの変化というか、例えばコミュニティへの発信内容に対してより責任が増したように感じるといったことの方が大きいように思う。

コミュニティ活動を行うモチベーションは人それぞれであると思うが、私の場合、当初のモチベーションは、DBAの生活の質の向上を図るためであった。長年のトラシューで思うことは、やはり夜間の電話対応や駆けつけなどは、DBAの生活を脅かすものであり、それを未然に防ぐ為には失敗の中から得られた知識や教訓を共有することが決定的に重要と考える。そしてそのノウハウは、特定の組織に閉じることなく、広く共有されることにより、より利用価値が高まるだろう。コミュニティを通じてこれらの知識を広めていくことで、DBAの生活の質の向上、さらには単なるバックアップ・リカバリや表領域管理といったデータ管理者としてのDBAではなく、より市場価値・付加価値の高い領域へキャリアをシフトしていくことに貢献できればと思うのである。

以上


ACE_shirts.jpg


以上

nice!(0)  コメント(0)